ジャニヲタです!
ちょっぴりエッチな妄想ラブストーリーを連載中♪
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[妄想おとぎ話]王子様と私〜思想犯
東京ドームでの山Pの失言を記念して(?)短いおとぎ話を書きました。

考えてはいけないことを考えて、王子様に謝りましょう(///▽///)



豊穣の秋。

秋の味覚の収穫期です。

村娘の“私”(18)は、王子様のところに供物を献上しに行きました。



山「栗やサツマイモをもらったから」

山「ご褒美に何かおみやげを」

山「そうだ!」

山「水あげしたばかりの魚があったな」

山「鯛とヒラメと」

山「どっちの生がいい?」



私「どっちでもいいです」

山「困ったな(笑)」

私「そんなすごいお魚」



山「あ、大きいと重たいから、持って帰るのが大変か」

山「じゃ、別のやつを」

山「イカとエビ」

山「どっちの生にする?」



私「え……っと」

山「ヌルヌルしてて持ちにくいかな」

私「ちょっと」

山「食べ物よりペットのほうがいいか」

私「ペット?」

山「亀と金魚と、どっちが好き?」

私「き、金魚」

山「亀はイヤだった?」

私「ちょっと」

山「苦手なタイプ、とか?」

私「は、はい」

山「慣れると可愛いんだよ」

私「慣れたくないし」

山「小亀から育てれば愛着もわく」

私「私のようなものには、もったいなさすぎるペットです」

山「亀は庶民には扱いづらいのか」

私「敷居が高くて」



山「じゃ、金魚スクってく?」

私「はい」

山「えーっと、モナカと網と、どっちでスクう?」

私「じゃあモナカで」

山「チョコとバニラとどっち?」

私「アイス?」

山「両方あるから」

私「じゃあ、チョコので」

山「オッケー! チョコモナカね」

私「好きなんです、チョコモナカ」

山「遠慮なく食べて」

私「金魚は?」

山「金魚も食べたいの?」

私「モナカでスクうんじゃあ」

山「あ、そうだったね」

私「はい」

山「自分でスクえる?」

私「チョコモナカではやったことないんですけど」

山「簡単だよ」

私「できるかな」

山「スクってあげようか」

私「え」

山「オレけっこう上手いから」

私「いいんですか?」

山「いいよ(笑)」

私「じゃあ、お言葉に甘えて」

山「ちょっと待っててね」

私「はい」



山「おっと」

私「あ」

山「あー、失敗」

私「逃げちゃった」

山「もう1回」

私「あ」

山「また逃がした」



山「今度こそ」

私「あ」

山「あー、ちくしょ〜」

私「あの」

山「ぜってースクってやる」

私「あ、また」

山「がっ、釣れねー」

私「あ、あの」

山「釣れるまでやるぜ」

私「はあ」

山「うわっ、また逃げられた」

私「あの、もういいです」

山「必ずスクうから」

私「カッコイイラブ



山「あー、ダメだっ」

私「悔しがってる。。。

山「くっそぉ〜」

私「地団駄ふんでる。。。

山「ぜってー釣る」

私「ムキになってる。。。

山「おりゃっ」

私「かけ声。。。

山「あー、逃がした」

私「すばしっこいですね」

山「きょうの金魚はイキがいい」

私「そうなんですか」

山「いつもは一発でスクえる」

私「上手いんですもんね」

山「金魚でも亀でもスーパーボールでも一発ゲットだ」

私「スクうものが得意なんだ」

山「すばしっこい金魚だな」

私「元気いいですね」

山「子どもかな」

私「オスかも」

山「息子が元気すぎると親は大変だ」

私「元気な息子さんで(笑)」






山「えっ」

私「え?」

山「えーっと」

私「あ、あの……」

山「一瞬、オレのことかと思った」






私「スイマセンスイマセン汗

山「謝らなくても」

私「誤解させるような言い方を」

山「いや、してないよ」

私「私はー、何も考えていません」

山「うん」

私「本当です」

山「わかった」

私「信じてください」

山「信じてるよ」

私「許してくださいっ」

山「いいよ、別に」

私「スイマセンスイマセン汗汗汗

山「もういいから」

私「考えてはいけないことを」

山「何も考えてないんじゃなかったのかよ」

私「考えないようにしてきたのにっ」

山「してきたのか」

私「スイマセンスイマセン汗汗汗汗汗



私「うっポロリ

山「泣かなくてもいいから」

私「土下座します」

山「いいよ」

私「なんでもします」

山「じゃ元気にしてくれる?」






私「え」

山「え?」

私「元気に……」

山「オレも元気になれるように」

私「私が王子様を元気に……」

山「この金魚に負けないぐらい」






私「スイマセンスイマセン汗

山「どうかしたの?」

私「もう生きてる資格ない」

山「また何か考えたの?」

私「本当にスミマセン汗汗汗

山「なんで謝るのかな」

私「手討ちにしてくださいっ」

山「へ?」

私「死んでお詫びを」

山「そんなことぐらいで首なんかはねられないよ」

私「私はー、思想犯です」

山「思想犯てなんだよ」

私「うっうっポロリ

山「もういいって」

私「ポロリ



山「さ、金魚スクイやろう」

私「はいポロリ

山「あー、スクえね〜」

私「元気いいから」

山「くっそぉ〜」

私「もうお玉でとっちゃえば?」

山「モナカでなければ意味がない」

私「負けず嫌いだから。。。

山「あー、ちくしょ〜、こんにゃろめ」

私「キャラ壊れてる。。。

山「ふっざけやがってっ」

私「キレてる。。。

山「ぜってースクってやる」

私「楽しい。。。

山「スクえるまでやる」



このままずっと、王子様の横顔を見ていたい。

金魚、ずっと釣れないといいな。

一緒に遊べるから揺れるハート



続く



(この話はフィクションでございます。なお、王子様にはモデルが存在します)



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・[妄想おとぎ話]王子様と私〜8王国のRYO王子

[妄想おとぎ話]王子様と私〜8王国のRYO王子
大沢親分に追悼の意をこめて。

今回は、人情味溢れる浪速の王子様にご登場いただきました。



王子様に供物を献上しに行った村娘の“私”(18)。

お城には、隣の国の王子様が遊びに来ていました。



山「村のみんなは元気にしてる?」

私「はい。王子様が平和な国を築いてくださっているおかげです」

山「何か困ってることはない?」

私「んー」

山「悪いことするヤツとかいないかな」

私「あ」

山「何?」

私「この間引っ越してきたお宅の男の子が乱暴で」

山「男の子?」

私「はい。7歳なんですけど」

山「7歳か」

私「弟も髪の毛をひっぱられたり、後ろからいきなりどつかれたりして泣かされたんです」

山「そうか」

私「小さい子に乱暴するなんて」

山「弱い者いじめはよくないな」

私「ですよねっ」

山「みんな仲良くね」

私「はい」

山「平和が1番!」

私「そうですよねっ」



山「はい、おみやげの金魚」

私「ありがとうございます」

山「家についたら金魚鉢に移してね」

私「はい」

山「やっと釣れたよ(笑)」

私「苦労して釣っていただいた金魚、大事にします」

山「オレだと思って育てて(笑)」

私「ピーって名前つけます」

山「ピーちゃんか」

私「うふラブ

山「ちょっと待ってて」

私「???」



山「RYOちゃ〜ん」

亮「おー」

山「帰りにこのコ送ってってくれる?」

亮「ええよ」

私「浪速弁?」

山「今、このお兄ちゃんに送ってもらうから」

私「あ、ひとりでも大丈夫ですよ」

山「金魚釣ってたら遅くなっちゃったからさ」

私「日が暮れちゃいましたね」

山「外、暗いし」

私「あ」

山「夜道のひとり歩きは危ないから」

私「あはは。平和な村なのに」

山「よそものが迷いこんでるかもしれない」

私「乱暴な子が(笑)」

山「RYOちゃんはオレの友達だから大丈夫」

私「隣の国の王子様ですよね」

山「知ってた?」

私「はい。有名ですから」

山「隣の8王国の第6王子で」

私「8王国には王子様が7人いるんですよね」

山「うちの国との親善大使だよ」

私「8王国とは友好関係にあるんですもんね」

山「友好な国としかつきあわないから(笑)」

私「王子様らしい外交ですね(笑)」

山「みんな仲良くね」

私「はい」

山「またおいで」

私「はい」



亮「ほな行くで」

私「あ、はい」

亮「ずっと金魚スクイしてたん?」

私「はい、王子様が」

亮「それをずっと見てたんか」

私「はい」

亮「よく飽きずに見てられんな」

私「全然飽きません」

亮「王子様が好きなんか」

私「はい(///▽///)」

亮「顔もカッコええしな」

私「優しいし」

亮「なんか相談に乗ってもらってたやん」

私「あ、乱暴な子がいて、小さい子に悪さするんで」

亮「それを相談してたん?」

私「はい」

亮「そんで?」

私「みんな仲良くねって」

亮「それ誰に言ったん?」

私「私です」

亮「そんで君はどうすんねん」

私「みんなで仲良くします」

亮「弱い者いじめしてるヤツはどうすんねん」

私「えーっと、えーっと汗

亮「そいつが悪さするから困っとるんやろ?」

私「仲良くしてもらいます」

亮「どうやって仲良くさせんねん」

私「王子様が、みんな仲良くするようにって言ってたって言います」

亮「この国は、ほんまに平和なんやな」

私「王子様が平和主義なので」

亮「あいつ生まれつき王子やから」

私「RYO王子様だって」

亮「オレは7人中の第6王子や」

私「下から2番目?」

亮「国を仕切っとるのは年長の兄貴たちや」

私「なんかそんな感じ」

亮「オレはマツリゴトには口を挟まんよ」

私「出る幕ないんですか?」

亮「突っこみもよう入れられん」

私「人数が多いから、突っこむ“間”も与えられないんだ」

亮「暇やからこの国の仕事を手伝っとんのや」

私「親善大使なんですもんね」

亮「ここのP王子とは気ぃ合うんでね」

私「お友達なんですもんね」

亮「あいつは優しいやろ」

私「いつも優しく手を振ってくださるんですよ」

亮「君らはどうしてんの?」

私「私たちも手を振り返します」

亮「お互いに手を振りあってるのか」

私「はい(///▽///)」

亮「お互いに笑いあって」

私「自然と笑顔になるんですよね」

亮「幸せそうやね」

私「王子様がお優しいので」

亮「それで優しい国民性の国に統一できとるんやな」

私「お手振り行政です」

亮「政策なんか」

私「P王国は、争いも戦もホーキしたんです」

亮「突然よその国から攻めこまれたらどうするんや」

私「王子様が守ってくださいます」

亮「そんな強い男とちゃうで、あいつ」

私「みんな王子様が大好きなんです」

亮「全面的に信用されてるんやな」

私「きっとなんとかしてくださいます」

亮「漠然とした期待を寄せられとんのか」

私「変わった浪速弁ですね」

亮「どっかおかしいか?」

私「なんか江戸の人が考えた浪速弁みたい(笑)」

亮「微妙におかしいんやな」



私「あ、またあのコ小さい子いじめてる」

亮「あいつか」

私「そうです」

亮「オレがガツンとゆーたる」

私「え」

亮「くぉらっ、小さい子いじめたらアカンやろ」

私「あ」

亮「ゴンッ(げんこつパンチ)」

子「うぇ〜ん」

私「なんてひどいことをっ」

亮「自分よりカラダの小さい子に暴力ふるったらアカンやろ」

私「なにも子どもを殴らなくても」

亮「これでおとなしゅうなるやろ」

私「ひどい。。。」

亮「社会のルールを教えたんや」

私「王子様ならこんなことしないのに」

亮「君に言うだけじゃ、なんの解決にもならんで」

私「本当にお友達なんですか?」

亮「そうや」

私「こんな人と……」

亮「あいつ使えんからオレがなんとかしてんのや」

私「それが親善大使なんですか?」

亮「憎まれ役やな」

私「暴力で解決しようとするなんて」



亮「おい、坊主。よう覚えとき」

亮「自分より弱いもんをいじめたらアカン」

亮「女の子やお母さんを殴ったらアカン」

亮「アカンもんはアカンのや」



子「ひーんポロリ

亮「わかったな」

子「うんポロリ

亮「もうせんな」

子「うんポロリ

亮「よし、わかったら帰ってええで」

子「ひっくひっくポロリ



私「かわいそうに。泣きながら帰ったじゃないですか」

亮「家に帰ったら母ちゃんが慰めてくれるやろ」

私「もう来ないでください」

亮「親善大使やから、また来るで」

私「せっかくみんなで仲良くやってるのに」

亮「やれてないから問題が起きたんやろ?」

私「乱暴な人は、好きじゃありませんっ」

亮「平和な国なんやもんな」

私「暴力では何も解決しませんっ」

亮「言葉で解決してほしかったんか」

私「サヨナラっ。送ってくださってありがとうございましたっ」

亮「プンプンしてても礼は言うんやな」

私「王子様が礼儀正しい方なんで」

亮「紳士的やからな」

私「王子様は人を殴ったりしませんっ」

亮「そうか」

私「もう来なくていいし

亮「聞こえてるで」

私「なんであんな人が王子様の友達なんだろう

亮「聞こえてるって」

私「王子様は人がいいから、きっと騙されてるんだわ






亮「……」



亮「しゃーないな」



亮「王子様が大好きなんやから」



亮「はは……」



亮「憎まれ役はつらいわ」



続く



(この話はフィクションでございます。なお、王子様にはモデルが存在します)



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・[妄想おとぎ話]王子様と私〜王子様の大事なオシゴトラブ

[妄想おとぎ話]王子様と私〜王子様の大事なオシゴト[:ラブ:]
ノッてきたので連載にしました。

王子様の顔を思い浮かべて、脳内再生でお楽しみください。



P王国の村娘の“私”(18)。

お城への道をてくてく歩いていると、P王子様の友達で、親善大使のRYO王子様に逢いました。



亮「おー」

私「あ」

亮「またおうたな」

私「また来たんですか?」

亮「親善大使やからな」

私「暇だからでしょ」

亮「自分の国にいても、やることないんでね」

私「8王国は、王子様が7人もいますもんね」

亮「きょうはこの国の国会に出席しとったんや」

私「国会に、隣の国の人が暇だから出るなんて(ーー゛)」

亮「メシも出るしな」

私「タダメシ目的に」

亮「ランチミーティング言うらしいで」

私「会議がお昼にかかる時は、昼食をお出しすることになってるんです」

亮「助かるわ」

私「税金のムダづかいだわ」

亮「メシ代ぐらいは働くで」

私「あたりまえでしょっ」

亮「親善大使やしな」



私「今朝は、王子様はお元気でしたか?」

亮「あー、あいつも国会に出とったよ」

私「この国の最高権力者ですもの」

亮「途中で抜けたけどな」

私「何か公用がおありになったのでは?」

亮「なんか急に歌詞がひらめいたらしくて」

私「歌詞?」

亮「ちょっと曲作ってくるって出てったわ」

私「王子様は曲作りもされるので」

亮「詞も書くしな」

私「国歌を作るのも、大切なオシゴトです」

亮「あいつが作った歌は国歌になるんか」

私「新しい歌ができると、私たちの前で披露してくださるんですよ」

亮「歌うたいやな」

私「それを私たちも覚えて」

亮「国歌やもんな」

私「次からは一緒に歌うんです」

亮「合唱か」

私「コール&レスポンスって言ってください」

亮「アイドルとファンやね」

私「国歌斉唱」

亮「中には歌いたくないやつもおるやろ」

私「いません」

亮「全面的に信用されとるんやもんな」

私「国民が自発的にコールしてるんです」

亮「ヘイP♪」

私「相性はマルっヽ(^o^)丿」



亮「楽しそうやね」

私「王子様が楽しい方なので」

亮「うちの国に来たらつまらん言われるヤツでも、ここでは楽しいって言ってもらえるんや」

私「みんな王子様が大好きなんです」

亮「手ぇ振って歌うだけで好かれてええな」

私「踊りもお上手だし」

亮「顔もカッコええしな」

私「優しいし」

亮「歌作って歌って金魚釣ってりゃええんなら、オレでもこの国の最高権力者になれるわ」

私「王子様には、王子様にしかできない重要なオシゴトがあるんです」

亮「手ぇ振るのも政策なんやもんな」

私「P王国では、結婚式の前夜に、花嫁が王子様と一夜を共にするしきたりがあります」

亮「あした結婚する女がほかの男と一夜を共にするんか」

私「はい」

亮「なんて男や」

私「嫁入りする前に、王子様からキラキラな時間をプレゼントしていただくのです」

亮「キラキラな時間てなんや」

私「一生忘れられないような、素敵な時間のことです」

亮「具体的に言えや」

私「具体的には、何をしてくださるんだか私も知りません」

亮「自分は未婚やしな」

私「噂では」

亮「噂か」



私「どこまでもどこまでも紳士的で」

私「何から何まで」

私「とてもとても丁寧で」

私「夢のような時間だと」

私「聞いています」



亮「なんて漠然としたイメージなんや」

私「果てしなく広がる、青い海原のようなイメージなんだと思います」

亮「その漠然とした期待に応えなならんのか」

私「ですから王子様にしかできないのだと」

亮「あいつもプレッシャーでできへんで」

私「王子様は、一般の男性とは違います」

亮「あいつ顔以外は普通やで」

私「過酷な減量にも耐えられる精神力を持っておられます」

亮「精神的な強さと性的な強さは別モンや」

私「自ら短期間に10キロ近い減量をして、そのノウハウをダイエット経典にまとめられたのです」

亮「ダイエット経典てなんや」

私「節制とビジュアル維持のための指南書でもあります」

亮「それを出版したのか」

私「国民が閲覧できるよう、公民館や国立図書館に展示されています」

亮「非売品なんか」

私「経典ですから」

亮「痩せられるからってなんでもできるわけやないで」

私「きっとなんとかしてくださいます」

亮「漠然とした期待を寄せられとるんやもんな」

私「きらめきの彼方へ」

亮「そこにいきたいんか」

私「はい」

亮「そんなところへいかせられへんで」

私「王子様となら、きっと辿りつける」

亮「他力本願なくせに、確信だけは持っとる」

私「全面的に信用しています」

亮「おまかせされても困るわ」



私「王子様との一夜は、この国の女性の夢でもあるのです」

亮「一夜を共にするんやろ?」

私「はい」

亮「つまり嫁入りする前に、自分の手付きにするわけやな」

私「たぶん、そうだと思います」

亮「そんな理不尽な暴力に、よく耐えとるな」

私「文句を言う人なんかいません」

亮「なんでや」

私「国会で可決されたことです」

亮「国会で決まったんか」

私「はい」

亮「どうしてそんな法案が可決されたんや」

私「賛成多数で可決されました」

亮「民主主義で決まったんか」

私「しきたりには、民意が反映されています」

亮「議員の女性比率が異常に高いなと思ったら」

私「ここの住民は、王子様をお慕いしてきた移民ばかりですから」

亮「ほとんどがあいつのファンてことか」

私「だからみんな王子様が大好きなんです」

亮「女の民意を反映させると、ろくな国にならんな」

私「P王国では、男尊女尊、みな平等が徹底されています」

亮「女が多いと必然的にそうなるんやな」

私「王子様とのしきたりについても、全国民公認のもとに行われるのです」

亮「自分らがしたいことを法案に通すなや」

私「理不尽な暴力どころか、国民の希望です」

亮「顔カッコええヤツは女に好かれてええな」

私「物事を短絡的に考えるのはやめてください」

亮「違うんかいっ」



私「婚姻の前に王子様にキラキラな時間をいただいて」

私「その想い出を胸に」

私「残りの日々をやり過ごすんだと言われています」



亮「やり過ごすってなんやねん」



私「どんなにつまらない結婚生活でも」

私「王子様との想い出だけで」

私「生きていけるようにと」

私「願いがこめられているのです」



亮「とんでもない国や」

私「すべての女性にキラキラな時間を与えられるのは、王子様だけなのです」

亮「本人たちもよくわかっとらんような期待に応えるのは相当大変やで」

私「大変なオシゴトなのです」

亮「しかも1回限りなんやろ?」

私「じゃすとぁうぇいっ」

亮「なんやそれ」

私「最初で最後」

亮「誰に習ったんや」

私「王子様です」

亮「日本語で言えや」

私「王子様は英語がお上手なのです」

亮「頭よさそーに見られたいだけやろ」

私「王子様は、品も顔も頭も性格もよいのです」

亮「品のいい男がぐちょぐちょの時間を提供できるかっ」

私「キラキラな時間ですってば」

亮「一夜を共にするなら、ぐちょぐちょのねちょねちょやろ」

私「早く自分の国帰ってください」

亮「なんでや」

私「不快です」

亮「何が不快やねん」

私「せっかく気持ちよく暮らしてるのに」

亮「オレは気持ち悪いんかい」

私「なんでこんな人が……」

亮「王子様の友達で悪かったな」

私「王子様は下品なことなんか言いませんっ」

亮「言わないだけで思っとることは同じや」

私「サヨナラっ。お気をつけてっ」

亮「プンプンしてても社交辞令は欠かさんのやな」

私「王子様が礼儀正しい方なので」

亮「紳士が好きなんやもんな」

私「私の前から消えろ

亮「聞こえとるで」

私「エロオヤジ

亮「オレは20代や」

私「あんな人とつきあってたら、王子様まで汚らしくなってしまう






亮「……」



亮「しゃーないな」



亮「夢見る夢子ちゃんやから」



亮「きらめきの彼方へ」



亮「なんやそれ」



亮「あるか、そんなもん」



続く




(この話はフィクションでございます。なお、王子様にはモデルが存在します)



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・8王国のRYO王子

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・[妄想おとぎ話]王子様と私〜JIN王子亡命

[妄想おとぎ話]王子様と私〜JIN王子亡命
RYO王子様が思いのほか評判よいので続投いたします。

今回は、勝運王国のJIN王子様初登場です。

P-RYO-JINでバカ西マイファミ軍団(と命名)の3人が揃いました。



P王国の村娘の“私”(18)。

庭でお花に水をあげていると、むさくるしい旅人に声をかけられました。



仁「すいません」

私「はい」

仁「あのー」

私「なんでしょうか」

仁「城に行きたいんですけど」

私「……旅のお方ですか?」

仁「あー、そんなようなもんかな」

私「お城にご用ですか?」

仁「あー、この国の王子が城にいると思うんで」

私「P王子様のお知り合いですか?」

仁「ダチっていうか、昔から知ってて」

私「お約束は?」

仁「いや、してないっス」

私「……」

仁「あ、いや、そんな目で見なくても」

私「……」

仁「オレ怪しいもんじゃなくて」

私「……」

仁「何日も風呂に入ってないから、今はちょっと臭いかもしれないけど」

私「どちらからお越しで?」

仁「勝運王国」

私「勝運王国は国名変更しましたよね」

仁「あ、ちょっと前に亀王国に変わったんだけど」

私「今は亀王子様の独裁政権です」

仁「オレもそこに住んでたんだけど、ちょっと事情あっていづらくなっちゃったから」

私「それでP王子様を訪ねてこられたんですか」

仁「しばらく泊めてもらおうと思って」

私「では、P王子様のお好きなものを3つ挙げてください」

仁「へ? 好きなもの?」

私「はい」

仁「……っと、ドラえもん、白いメシ、タン塩」

私「確かに、昔からのお友達のようですね」

仁「テストだったのか」

私「汚らしい方を、簡単に信用するわけにはいきません」

仁「今の回答で信用してもらえたんだ」

私「お城は、この道をまっすぐです」

仁「どーも」



私「あ、あの」

仁「はい」

私「途中に髪切り処がありますので」

仁「美容院のこと?」

私「ぜひお立ち寄りを」

仁「なんで?」

私「少し切られたほうがサッパリすると思って」

仁「むさくるしいかな?」

私「せっかくのお顔立ちが、もったいないと」

仁「あとで寄ってみます」



私「あ、あの」

仁「はい」

私「図書館に、P王子様が書かれたダイエット経典がございます」

仁「ダイエット経典?」

私「痩せるための本です」

仁「それが何か?」

私「ぜひご一読を」

仁「え、痩せたほうがいいってこと?」

私「せっかく素材がいいのに、もったいないなと」

仁「うるせー」

私「はあっ?」

仁「なんでもないっス」

私「もう少しあごまわりをスッとさせれば、全体的にシュッとした印象になって、P王子様に負けないぐらいのビジュアルになりますよ」

仁「プロデュースありがとう」

私「アドバイスですってば(笑)」

仁「図書館にも寄ってみます」

私「さしでがましいマネを」

仁「……っとにそうだよ」

私「はあっ?」

仁「風呂入って髪切って痩せたらまた来ます」

私「楽しみにしてますぴかぴか

仁「目に光が宿った。。。」

私「お気をつけて」

仁「そんじゃあ」






仁「ここが城か」

亮「あれ?」

仁「???」

亮「バカ西?」

仁「RYOちゃん」

亮「やっぱそうや」

仁「あいつんとこ来てたの?」

亮「おー、オレこの国の親善大使やもん」

仁「へー」

亮「どないしたん? そのカッコ」

仁「あー、亡命。っていうか」

亮「逃げてきたんか」

仁「ちょっと、国にいられなくなって」

亮「追放されたん?」

仁「いや、しばらくよその国に出稼ぎに行ってたら、その間に事情が変わっててさ」

亮「おまえんち、なくなってたん?」

仁「オレも一応、王子だよ」

亮「勝運王国は王子6人制やもんな」

仁「それが国に戻ったら亀の独裁国になってて」

亮「ほかの5人は王位を剥奪されたんか」

仁「みんな庭師や踊り子になってた」

亮「労働者階級に転落したんか」

仁「で、オレも城にいづらくなっちゃって」

亮「おまえと亀の2人じゃ、そりゃあ気まずいやろな」

仁「連立ってわけにもいかなくてさ」

亮「JIN亀連立政権か」

仁「ツートップ体制はどうかな、とも思ったんだけど」

亮「相手をイラつかせるだけや、やめとけ」

仁「オレら2人だと意見も出ない」

亮「話すこともないんか」

仁「あんまり歓迎されてないみたいだし」

亮「邪魔にされたんか」

仁「別に不仲ってわけじゃないよ」

亮「前からあんま仲よさそうに見えんかったで」

仁「方向性の違いっていうのかな」

亮「要するに合わないんやろ?」

仁「オレもうまく合わせられなくてさ」

亮「おまえ協調性なんかないやん」

仁「あいかわらず毒舌だね(笑)」

亮「おまえも変わらんで」

仁「はははは」

亮「城ん中入れや」

仁「うん」



亮「ピー、おるか?」

山「いるよ」

亮「バカ西亡命してきたで」

山「へ?」

仁「ちっス」

山「JINじゃん」

仁「元気?」

山「どうしたの?」

亮「国、追い出されたんやって」

仁「ちげーって、自分から出てきたんだよ」

山「行くとこないの?」

仁「んー」

亮「しばらくここにおいてやれば?」

山「まー、いいけど」

仁「これ、みやげ」

山「何これ?」

仁「エロ本」

山「うおっ」

仁「1冊だけ持ってきた」

亮「女の裸や」

仁「別に珍しくないかもしれないけど」

山「うちの国では作ってない」

亮「この国はエロ本ないんか?」

山「発禁になった」

亮「役人に取り上げられたんか」

山「いや、国民に」

亮「おまえの国の女は、エロ本を発行禁止にしたんか?」

山「国会で決まったから」

亮「なんで?」

山「イヤだったらしい」

亮「そんな感情論が国会で通用するんか」

山「表向きは、子どもの教育上悪いってことになってる」

亮「子どもに見せなきゃええだけやろ」

山「隠しても、思春期の子どもは見たがるから、青少年の健全な育成の妨げになるんだって」

亮「エロ本禁止法案か」

山「有害図書ならびに映像作品の輸入も禁じられてる」

亮「ならこれ密輸やんか」

山「バレたら大変だ」

亮「おまえの信用も地に落ちるな」

山「サイテーとか言われるかも」

亮「エロ本を見る自由もないんか」

山「平等を追求すると自由がなくなっていくんだ」

亮「女の意見を尊重しすぎて、おまえの人権もなくなってるやん」

山「オレは人だと思われてない」

亮「神か?」

山「王子は聖職なんだ」

亮「聖職者が密輸したエロ本見ていいんか」

山「いいわけない」

亮「サイテーどころやないで」

山「どこかに隠さないと」

仁「隠まってくれんの?」

山「おまえじゃねーよ、この本だよ」

仁「オレも一緒に隠まってよ」

山「しょうがねーな」

仁「マイファミじゃん」

亮「なんやそれ」

山「My Familyの略だろ」

亮「ピー、おまえ頭ええな」

山「英語は得意だ」

亮「英単語やろ」

山「ワンフレーズぐらいなら得意中の得意だ」

仁「オレ英語しゃべれるよ」

亮「おまえも英語得意なん?」

仁「うん。英語圏で暮らしてたから」

亮「おまえバカそうに見えて地頭はいいもんな」

山「こいつけっこうなんでもできんだぜ」

亮「たいした努力もしてないくせにな」

山「腹立つなー」

亮「亀も腹立たしくてしょうがなかったんやん?」

仁「亀はすげー努力してる」

亮「自分が努力してやっとることを、ちょいちょいっとやられて、そこそこのもん見せられたら、そりゃあ腹立つやろ」

山「腹たるんでても、もとの顔がいいからそこそこのビジュアルだしな」

仁「痩せろって言われたよ」

山「誰に?」

仁「おまえの国のコ」

山「うちの国民は、太ってる美形に厳しいから」

仁「ゆるそうな国なのに」

山「資源をムダにするのがイヤなんだろ」

仁「美形は限りある資源なのか」

山「大事に使わないといけないんだ」

仁「紙や水と同じなんだ」

山「男の数が少ないからな」

亮「オレもいたないわ、こんな国」

山「男は住みづらいらしくて、国にいつかないんだ」

亮「エロ本見る自由もないねんで」

山「女の裸はダメだけど、男の裸ならオーケーだ」

亮「不公平やないか」

山「ただし、きれいな裸にかぎる」

亮「汚い裸は本に載せたらいけないんか」

山「トゥルトゥルのピカピカに加工した裸はいいんだよ」

亮「それは裸やないやん」

山「“お裸”と呼ばれてる」

亮「美男子至上主義のクリーンな国なんやな」

山「汚くしてると冷たい目で見られる」

仁「オレもさっき見られた」



山「とりあえず、風呂入ってくれば?」

仁「おいてくれんの?」

山「別にオレはRYOちゃんいるからいいんだけどさ」

亮「おいピー、亡命してきたヤツに冷たくすんなや」

山「疲れてんの?」

仁「うん」

亮「ボロボロやんか、見てわかるやろ」

仁「もう一歩も動けない」

亮「おまえにしてはようがんばったな」

仁「自分にこんな根性があるとは思わなかったよ」

亮「人間、死ぬ気になればなんでもできるんやで」

仁「金もなくなって、野宿してきた」

亮「ピー、なんとかしたれや」

山「うーん」

亮「おまえを頼ってここまで来たんやで」

山「しょうがねーなー」

亮「おまえの国で行き倒れられても困るやろ」

山「わかった」

仁「おいてくれる?」

山「オレの一存で、通訳に任命するよ」

仁「通訳?」

山「英語しゃべれんだろ?」

仁「うん」

山「オレの後ろで耳打ちして」

仁「へ?」

山「それをオレがしゃべるから」

亮「頭よさそーに見えるようにか」

山「オレは国民に尊敬されてる」

亮「王子様は英語もお上手なんですって言うてたで」

山「これでまた尊敬されるかな」

亮「英語ペラペラしゃべれば、女にスゴーイラブ言うてもらえるで」

山「JIN、ここにいていいよ」

仁「やった」

亮「なんでこんなヤツが尊敬されとるんやろな」

山「国民の前では、最小限のことしかしゃべんないから」

亮「どんなこと言うてんねん」

山「ヤなこと全部忘れちゃおうぜっ!」

亮「そんなことしか言わんヤツと比べられたら、誰でも下品に見えるわ」

山「下品なこと言ったの?」

亮「ぐちょぐちょ言うただけで、消えろ言われたわ」

山「汚らしい響きの表現は避けたほうがいいよ」

亮「言葉狩りやな」

山「禁止じゃないけど、下品なこと言うと嫌われる」

亮「バカ西、よく聞いとき」

仁「オレ英語でしゃべるよ」

亮「風呂入って痩せて髪切って英語しゃべれば好かれるで」

山「オレより目立つなよな」

仁「うん」

山「ここオレの国なんだからな」

亮「なんでこんなヤツが尊敬されとんのやろ」



続く



(この話はフィクションでございます。なお、王子様にはモデルが存在します)



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[妄想おとぎ話]王子様と私〜亀船来航
ついにP王国に亀王子様がやってきます。

P-RYO-JIN。+亀。

バカ西マイファミ軍団でわちゃわちゃやってる場合ではなくなったようです。



P王国の村娘の“私”(18)。

ほうきで家の前を掃いていると、海賊の格好をした男に声をかけられました。



亀「可愛いお嬢さん」

私「はい?」

亀「こんにちは」

私「私のことですか?」

亀「そうにきまってるじゃない(笑)」

私「どちら様でしょう」

亀「亀王国の代表の者です」

私「亀王国の?」

亀「突然で驚かれたでしょうが」

私「はい」

亀「人を探してるんだ」

私「人を?」

亀「この写真の男、ここに来なかったかな」

私「あ、この人は」

亀「知ってる?」

私「この間いらした方かも」

亀「ここに来たの?」

私「髪切って、こざっぱりして少し痩せれば、こんな感じになりそう」

亀「いい男でしょ?」

私「はい!」

亀「好みのタイプ?」

私「ちょっと(///▽///)」

亀「オレの国の王子だよ」

私「え、あの浮浪者が?」

亀「やっぱりここにいたのか」

私「あ、あの、何か事件でも?」

亀「いや、たいしたことじゃないよ」

私「でも」

亀「この国の王子に会いたい」

私「P王子様に」

亀「悪いんだけど、城まで案内してもらえるかな」

私「あ、はい。私もこれからお城に行くところだったので」

亀「ちょうどよかった」

私「ご一緒に」

亀「城に用事?」

私「ええ。新米が収穫できたので、供物を献上しに行くところだったんです」

亀「米?」

私「はい」

亀「それを売りに?」

私「いえ、神様にお供えしていただいて、お城で食べていただくのです」

亀「ふうん」

私「王子様も白いご飯がお好きですし」



亀「悔しくないの?」

私「は?」

亀「搾取されて」

私「サクシュ?」

亀「君んちで作った米なんだろ?」

私「あ、はい」

亀「いい米じゃない」

私「手間隙かけて育てた自慢のお米なんです」

亀「低農薬か」

私「混ぜものなしの安全なお米ですよ」

亀「それを巻きあげられてんだ」

私「はい?」

亀「要するに上納だろ?」

私「ジョーノー」

亀「ただで取りあげられてるんだろ?」

私「あの、すみません。私、難しいことはよくわからなくて」

亀「ひどいヤツ」

私「誰がですか?」

亀「この国の王子だよ」

私「王子様はいい方です」

亀「国民から不当に農作物を巻きあげてんだろ?」

私「ちゃんと、いつもありがとうって言ってくださいますよ」

亀「うまいこと言ってズルズル貢がせてんだ」

私「違います」

亀「何が違うの?」

私「王子様は、供物をお届けすると、おみやげに海でとれたものや金魚を持たせてくださいます」

亀「10貢がせて1返してんだ」

私「そんなんじゃありません」

亀「じゃ何? 物々交換?」

私「気持ちの問題です」

亀「次からオレんとこに持ってきなよ」

私「はい?」

亀「買ってあげるよ、その米」

私「お米の輸出は勝手にできません」

亀「内緒で持っておいで」

私「そんなことできませんっ」

亀「うちの国に来ちゃえば?」

私「はあっ?」

亀「この国を出て」

私「そんなことできませんっ」

亀「オレのところにいたほうが、豊かになれるさ」

私「今も十分よくしていただいてますから」



亀「安全でうまいものを欲しがってるヤツはいくらでもいる」

亀「つまり、その米には価値があるんだ」

亀「高い値段で客に売って、ゆとりのある暮らしをすればいい」

亀「可愛いんだから、きれいな服着ておしゃれしなよ」

亀「君の周りに人がたくさん集まってくる」

亀「こんなところで米作ってるのはもったいない」

亀「いろんな可能性を選べるんだから」



私「私は今の暮らしに満足しています」

亀「これ、あげる」

私「なんですか? これ」

亀「オレと直接繋がるホットライン」

私「電話機?」

亀「気が変わったら連絡して」

私「けっこうです」

亀「持ってるだけ持ってなよ」

私「使いませんから」

亀「オレの顔写真、シールにして貼っといた」

私「いらないし

亀「オレのこと思い出したら、いつでも電話して」

私「いらないって言ってんのに汗

亀「遠慮しなくていいんだよ(笑)」

私「遠慮じゃないし汗汗汗



亀「ひけ目なんか感じることない」

亀「君は十分魅力的だ」



私「迷惑だってわかんないのかな汗汗汗汗汗






私「お城に着きましたよ」

亀「ここが城?」

私「今インターホン押しますね」

亀「門番もいねーのかよ」

私「平和な国なんで、見張りは必要ないんです」

亀「普通の家と同じじゃねーか」

私「犬ならいます」

亀「ドーベルマンか」

私「いえ、ミニチュアダックスフンドです」

亀「ペットじゃねーか」

私「番犬も必要ないんで」

亀「民家と同じデザインの城かよ」

私「王子様は、住居や家財にお金をかけない方なのです」

亀「欲も見栄もない腰抜けか」

私「その庶民的な感覚が、国民に指示されています」

亀「城じゃねーよ、こんな家」



ピンポン♪

私「こんにちは。お客様をお連れしました」

山「客?」

私「亀王国の代表の方だそうです」

山「亀王国の?」

私「はい」

山「今行くから待っててね」

私「今、王子様がいらっしゃるそうです」

亀「王子みずからお出迎えかよ」

私「いつもご本人が出られるので」

亀「秘書や執事はいないの?」

私「王子様は、ご自分のことはご自分でなさるのです」

亀「自立してんだ」

私「メイドもSPもいらないんですって」

亀「それってただの1人暮らしだろ」

私「よく庶民に混じって、お店でお弁当や飲み物を買ってらっしゃいますよ」

亀「庶民そのものじゃねーか」



山「いらっしゃい」

私「こんにちは」

亀「お久しぶりですね、P王子」

山「代表っておまえ?」

私「ご存知でした?」

山「亀王子だよ」

私「えっ、この方が?」

亀「ふっ、ボクが亀王国の亀王子です」

山「カメカメうるせーよ

私「そうとは知らず、失礼なことを申しあげて」

亀「いいんだよ、心が広いから」

私「無礼をお許しください」



亀「さっそくなんだけど、うちのバカ西が来てるでしょ」

山「今うちで隠まってるよ」

亀「あっさり白状してやがる」

山「亡命中だから」

亀「隠まってる意味ねーだろ」

山「迎えに来たの?」

亀「違うよ、取り立てだよ」

山「なんの?」

亀「金だよ」

山「あいつ、おまえに借金あんの?」

亀「借金こさえて逃げたんだよ」

山「何に使ったんだろう」

亀「投資に失敗したんだ」

山「投資?」

亀「金がないなら本人を渡してもらおうか」

山「どうすんの?」

亀「カラダで払ってもらうよ」

山「おまえの相手させんの?」

亀「オレはいらねーよ。どっかの国の金持ちに売り渡すんだよ」

山「今あいつ太ってるから高くは売れないんじゃね」

亀「痩せてもらうさ」

山「痩せさせてから売るんだ」

亀「太らせて食ってもしょうがねーだろ」

山「とりあえず、JINに事情聞いてくる」

亀「今話しただろ」

山「嘘かもしれねーし」

亀「オレの話は信じらんねーのかよ」

山「うん」

亀「信用ないんだな」

山「うん」



亀「じゃ、待たせてもらう」

山「悪いんだけど、このお兄ちゃんの相手してあげててくれる?」

私「はい」

山「自信過剰でムカつくかもしれないけど、女性にひどいことはしないヤツだから」

私「紳士なんですね」

山「カッコよく見られることに命かけてる」

私「カッコいいですもんね」

山「カッコいいからって信用できるとは限らないよ」

私「あ」

山「きょうは何事もなかったからよかったけど、気をつけてね」

私「きれいな服を着てたし、話し方も紳士的だったから」

山「海賊の衣装なんか着てるヤツについてっちゃダメだ」

私「……はい」

山「うちの国は平和だから、女の子に警戒心が育たないんだよな」

私「これから気をつけます」

山「じゃ、すぐ戻るね」

亀「女には優しいんだな」

私「ごゆっくりどうぞ」



---*---*---*---*---


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[妄想おとぎ話]王子様と私〜ひとりぼっちの王子様
亡命したJIN王子を追って、亀王子がP王国にやってきました。

いよいよ亀王国の独裁政権の真相が明らかになります。



P王国の村娘の“私”(18)。

お城に乗りこんできた亀王子様のお相手をするように、P王子様に言われています。



私「P王子様とお知り合いだったのですね」

亀「学校が一緒だったんだ」

私「学校?」

亀「このあたりの国の王子は、中学から王室専用の寄宿舎に入ることになってるんだよ」

私「中高一貫教育ですか?」

亀「帝王学、美学、音楽、武道、舞踏……国を治めるのに必要な教育を受けるんだ」

私「普通科とは科目が違うんですね」

亀「エリート教育だ」

私「頭もよろしいんですね」

亀「オレは合わなくて途中で辞めたけど」

私「中退なさったんですか」

亀「高等部の時にね」

私「高校中退?」

亀「王子になるのに学歴はいらない」

私「生まれた時から、なることが決まってるんですもんね」

亀「決められたレールの上を走ってきた」

私「エスカレーター式なんだから、そんなに急がなくても」

亀「自分が国を造るんだと、子どもの頃から思ってきた」

私「宿命を背負って」

亀「職業選択の自由なんてない」

私「王子様ですもんね」

亀「王子に生まれた者は、王子として生きるしかないんだ」






私「あ、王子様が戻ってらした」

山「お待たせ」

亀「オレが言ったこと、嘘じゃなかっただろ」

山「うん。本当だった」

亀「だから言ったのに」

山「オレの国宛に請求書送ってよ」

亀「なんの請求書だよ」

山「JINの借金、オレが払うから」

亀「おまえのポケットマネーで?」

山「国家予算だよ」

亀「そんなことのために、よく国民の血税を使えんな」

山「輸入だ」

亀「横領だろ?」

山「JINの借金を国で払って、あいつの身柄も引き取る」

亀「捕虜かよっ」

山「手荒なことはしないよ」

亀「おまえは王子のくせに、よく若い国民の前でそんなことが言えるな」

山「P王国では、戦を放棄してる」

亀「戦争を放棄した国が、敵国の王子を捕虜にするかよ」

山「友好にやっていこう」

亀「オレと仲よくしたいのか」

山「おまえじゃねーよ、おまえの国とだよ」

亀「友好に金払って捕虜にしようって腹か」

山「問題なのは借金だろ?」

亀「そうだ」

山「どこかの国の金持ちにJINを売り飛ばすつもりだったんなら、オレが買ったっていいってことだ」

亀「おまえってヤツは」

山「だからオレが買い取ることにした」

亀「よく自分の友達に対して、そんなひどいことができるな」

山「可愛がるからさ」

亀「おぞましいヤツめ」

山「ってことだから」

亀「なんでこんな自分勝手なヤツが好かれてるんだ」

山「独裁と決断は違う」

亀「私的なことを、王子の独断で即決かよ」

山「トップに決断力は必要なんだ」

亀「借金の金額も聞かねーで」

山「じゃ、これで」

亀「あっ」

山「まだなんかある?」

亀「……長旅で疲れた」

山「その先に甘味処があるから、ゆっくり休んできな」

亀「え」

山「じゃあな」



……。



……。



……。



私「あの」



……。



私「お金持ちなんですよね」

亀「は?」

私「王子様だから」

亀「そりゃあ、まあ」



私「私、少し疲れてしまって」

私「座って休みたいんですけど」

私「そこの甘味屋さんで」

私「あんみつ、ごちそうしていただけませんか?」



亀「あんみつ食べたいの?」

私「はい」

亀「ふうーん」

私「甘いものがお嫌いでしたら、あべかわ餅やいそべ巻きもあるので」

亀「そうだな」

私「おいしいですよ」

亀「腹も減ったし」

私「いいですか?」

亀「じゃ、その店に連れてって」

私「はい」

亀「オレもなんか食うわ」

私「すぐですよ」



---*---*---*---*---



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[妄想おとぎ話]王子様と私〜JIN王子のおつとめ
亀王国の独裁政権の真相が明らかになったところで、バカ西マイファミ軍団がお城に集まります。

JIN王子様の扱い、P王子様の言い分、RYO王子様の突っこみをお聞きください。



P王国に買われることになった、亀王国のJIN王子様。

親善の証として、重要な役割を担うことになりました。



山「とりあえず、支払いが済むまでは、まだ契約が終わったわけじゃない」

山「おまえの立場は、今のところオレの友人で、この城のイソーローだ」



仁「まだ金払ってないからペットじゃないんだな」

山「正式にうちの国のものじゃないうちは、ペットじゃなくて、いちおうお客さん扱いだ」

仁「好きにしてていい?」

山「いいわけないだろっ」

仁「何もしなくていいんでしょ?」

山「イソーローだからって毎日ダラダラしてられちゃ困る」

仁「オレ何すんの?」

山「今考えてる」

仁「オレ難しい仕事はできないよ」

山「おまえに頭脳労働なんかさせねーよ」

仁「あんまり社交的なほうでもないし」

山「長期のプロジェクトには組み入れない」

仁「途中で辞めたくなるかもしれないし」

山「だから組み入れないんだよ」

仁「力仕事も、長い時間とかキツイ現場では難しいかも」

山「肉体労働でも使えねーしな」

仁「オレって何に向いてんだろ」

山「旅人か、その日暮らしじゃねー」

仁「モデルならできる」

山「今おまえ太ってるからダメだろ」

仁「痩せるのも面倒だしな」

山「よくそんなんで一国一城の王子がつとまるな」

仁「オレの国は王子6人制だったから」

山「ほかのヤツがやってくれてたんだ」

仁「オレは適当に動いてればなんとかなった」

山「遊んでてもなんとかなってたんだよな」

仁「亀とか、すげーがんばってたし」

山「人が多いと、がんばるヤツとがんばらないヤツに分かれるんだ」

仁「がんばる比率としては、亀が6で中丸が2、残りのヤツらが2ぐらいの配分かな」

山「亀と中丸で8割の働きをしてたのか」

仁「残りの4人で2割の簡単な仕事を分けあってた」

山「実際にコトを動かしてるのは全体の2割程度だ」

仁「6人いるから2人ぐらいが主要な人物なんだ」

仁「オレあんまり期待されてなかったし」

山「おまえらが期待できねーから亀と中丸でやってたんだろ」

仁「仕事はすぐ終わっちゃうからさ」

山「使えないから仕事を振られなかったのか」

仁「夜は女の子と遊んだり」

山「おまえ昼も夜も遊んでばっかだな」

仁「女の子と遊ぶのは好きだよ」

山「好きなことしかやりたくないんじゃ、仕事なんか続かねーだろ」

仁「女の子の相手するよ」

山「最終的にはそのつもりだ」

仁「そのために買われたんだもんな」



山「うちの国は男の数が少ないんだ」

山「人口の増加につながるような働きをしてもらいたい」



仁「妊娠させればいいの?」

山「得意だろ?」

仁「オレ可愛い子がいい」

山「選べる立場だと思ってんのかよっ」

仁「種馬として買われるんだもんな」

山「種パンダだよ」

仁「誰の相手すんの?」

山「未亡人だ」

仁「ダンナに先逝たれた女性か」



山「うちの国民は、移民がほとんどだ」

山「ダンナを捨てて、子どもとここに移住してきたケースも多い」



仁「ダンナ捨てて、おまえのところに来たのか」

山「逃げてきたんだ」

仁「暴力でもふるわれてたの?」

山「殴られたわけじゃないから別れられないパターンもあるんだよ」

仁「何が不満だったのかな」

山「捨てられたダンナも、いったい何が不満だったんだって思ってるかもな」

仁「訳もわからず奥さんに逃げられて、途方に暮れてるんじゃね」

山「女性の気持ちに鈍感だから逃げられたんだ」

仁「うちの国は、女性の定着率いいよ」

山「亀がうまくやってるからだろ」

仁「道で誰かに会うたびに、きょうも可愛いね、とか、その服いいじゃんとか言ってる」

山「亀の手腕で国民の支持率を得てたんだな」

仁「誰にでも言ってんだぜ」

山「汚いヤツめ」

仁「それがわかんないのかな」

山「わかってても嬉しいんだろ」

仁「みんな嬉しそうにしてたよ」

山「女の気持ちのわかるやつは、国政にも長けてるな」

仁「誰にでも言ってんのに」

山「捨てられたダンナも、亀と同じことを奥さんにしてれば、うちの国民がオレの国に来ることはなかったのかもしれない」

仁「きょうも可愛いね、その服いいねって言わないのが悪かったのか」

山「挨拶だと思って言えばよかったのかもな」

仁「朝起きたら可愛いね、家に帰ったら、その服いいね」

山「メシ食ったら、うまかったよ、いつもありがとう」

仁「おはよう、ただいま、ごちそうさまの代わりに言えばいいのか」

山「亀も挨拶として言ってるんだろ」

仁「リップサービスだよ」

山「女はサービスされるのが好きなんだよ」

仁「サービス精神がなくなると捨てられるんだな」

山「女性はさみしいと生きていけない生き物なんだ」

仁「ウサギかよ」

山「結婚生活に希望を見い出せなかったんだろ」

仁「駆けこみ寺みてー」

山「移民はオレを頼ってきた女性たちだ」

仁「おまえ頼られてんだ」

山「ムゲにはしないと思ったのかも」

仁「なんとかしてくれると思われたのか」

山「移民はすべて受け入れてる」

仁「来い来いだな」

山「受け入れ拒否なんかできない」



仁「どんどん受け入れてるんなら、人口も増えるはずなのに」

山「うちの国は、行方不明者も多いんだ」

仁「行方不明?」

山「ダンナに蒸発されて、ひとりでいる女性もたくさんいる」

仁「なんでそんなに蒸発すんの?」

山「出稼ぎや旅行でほかの国に行くと、そのまま帰ってこないんだよ」

仁「エロ本もないような国だもんな、ここ」

山「国境を越えれば、楽しいことがたくさんある」

仁「キャバクラとかAVとか」

山「帰りたくなくなるんだろうな」

仁「楽しい産業が発展してる国に留まっちゃうんだ」

山「うちの国は娯楽が少ないからな」

仁「おまえと歌ったり踊ったりしてるだけじゃ、女はよくても男はつまんないよな」



山「いきなりダンナに蒸発されて」

山「とり残された女性には信じたくない話だろう」

山「本当のことなんか言えない」



仁「エロ産業に抱えこまれたなんて」

山「神隠しってことにしてるんだ」

仁「脱走は神隠しなんだ」

山「今までに何人も神隠しにあってる」

仁「不気味な現象だよな」

山「ミステリーだ」

仁「平和な村にはよくある話か」



山「そういうわけで、ダンナのいない女性がたくさんいる」

仁「捨てたり捨てられたりで」

山「男の数が足りないから、釣り合いがとれないんだ」

仁「おまえの国の造り方に問題があんじゃねーの?」

山「ここにいる限り、再婚も難しい」

仁「男はガキしかいないんじゃな」



山「子どもを欲しがってる人もいれば」

山「ぬくもりを欲しがってる人もいる」

山「可愛がる対象を求めてる人もいる」

山「彼女たちの心を満たしてやるのが」

山「おまえのつとめだ」



仁「つまり相手の望んでることをすればいいんだ」

山「望まないことはするな」

仁「望まない妊娠はさせないと」

山「添い寝してくれって言われたら、黙って横に寝てやれ」

仁「まー、寝るだけでいいんなら」



山「ひと晩じゅう、頭なでなでしてくれとか」

山「ひと晩じゅう、背中トントンしてくれとか」

山「いろいろ言われるかもしれないから」



仁「ひと晩じゅうかよ」

山「疲れたからって、やめたり寝たりすんなよ」

仁「妊娠させるほうが、オレの負担は軽いな」

山「奴隷だからな」

仁「ご主人様に忠実なペットだもんな」

山「愛玩動物だ」

仁「パンダは愛玩動物なんだ」

山「可愛いっラブて言われるために存在してるんだ」



---*---*---*---*---



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[妄想おとぎ話]王子様と私〜共有王子
今回は“私”(18)を交えてのJIN-P出演です。

続きものになっているので、これまでのいきさつについてはコチラからご覧ください。



種パンダとしてP王国に輸入されるJIN王子様。

きょうは国民にお披露目される日です。



山「まだ正式にうちの国のパンダになったわけじゃないけど」

仁「人間扱いされてないな」

山「見知らぬ人間がそのへんをフラフラしてると国民が不安に思う」

仁「姿カタチは人間だからな」

山「あしたの朝礼でみんなに紹介するよ」

仁「朝礼って何?」

山「週に1回、城の庭で体操教室と親睦会を開いてる」

仁「オレ朝は起きられないかも」

山「前の晩から寝ないで起きてろ」

仁「徹夜で朝礼出るよ」

山「夜型の生活も、朝礼に出ているうちに改まるさ」

仁「学校みてー」

山「任意参加なんだけど、集まりいいんだ」

仁「おまえと一緒に体操して、お話ししたい女がいっぱいいるってことだよな」

山「王子様と一緒」

仁「体操のおにいさんかよ」

山「健康にもいいし、国民との親睦も深まる」

仁「ファンとの集いか」

山「国民参加型の政治だ」

仁「みんな旗持って集まってくんの?」

山「いや、うちわだ」

仁「おまえの信者だな」

山「オレに手を振ってもらうと嬉しいらしい」

仁「お手振りのサービスか」

山「自分のうちわが多いと、オレもテンション上がる」

仁「おまえの顔写真がうちわになってんだ」

山「国政への提言が書いてあるうちわもあるよ」

仁「うちわになんか書いてあんの?」

山「狙い撃ってラブ

仁「それはファンサービスのリクエストだろ」

山「指で鉄砲の形を作ってバーン♪」

仁「指で撃たれると国がよくなっていくんだ」

山「投げキッスしてラブって小さく書いてある時もあるよ」

仁「それのどこが政治的な提言なんだよ」

山「国民手当みたいなもんかな」

仁「金の代わりにチューをバラまいてんの?」

山「財源はオレのカラダだ」

仁「カラダを張ってるつもりなのか」

山「文字どおり、身銭を切ってる」

仁「参加賞だな」

山「体操に出たスタンプ代わり」

仁「モチベーションに繋がるんだ」

山「国民のテンションも上がっていいことづくめだ」

仁「変な国」

山「慣れれば普通だよ」

仁「仏の国だもんな」



---*---*---*---*---



山「みなさん、おはようございます!」

皆「おはようございま〜す!」

山「きょうもいい天気だね」

皆「そうですねっ」

山「では、朝礼を始めます」

皆「は〜い」

山「きょうは皆さんに紹介したい人がいます」

皆「???」

山「JIN、こっちへ」

仁「うん」

山「オレの友人で、しばらく国にいることになったバカ西JINくんです」

仁「どーも、バカ西です」

山「パンダだと思って仲よくしてあげてください」

仁「タレ目サングラス持ってきました」

山「ね、目のまわりが逆三角に黒くなっててパンダみたいでしょ?」

皆「ホントだ〜(笑)」

山「おとなしい動物なので、触っても大丈夫です」

仁「好きに触ってください」

山「病気もありません」

仁「きのう健康診断受けてきました」

山「噛みついたりもしません」

仁「牙はありません」

山「好物は笹です」

仁「笹で包んだご飯が好きです」



山「小屋ができるまで、村の公民館の和室で寝泊まりさせようと思います」

山「ずっとこの国にいてもらうつもりなんだけど」

山「いろいろ手続きがあるので」

山「正式に決まったら、また報告するね」

山「とりあえず、生き物ですから」

山「エサを与えないと死んでしまいます」

山「持ちまわりでご飯作って」

山「公民館に差し入れてもらえますか?」



皆「は〜い」

山「笹でいいよ(笑)」

仁「おにぎりやちまきを笹に包んできてほしいです」



山「毎日ゴロゴロしていると太るので」

山「JINくんに手伝ってほしいことがあったら」

山「どんどん頼んでください」

山「農作業や使いっぱしりなどで」

山「男手があれば」

山「少しは役に立つでしょう」



私「王子様」

山「なんですか?」

私「質問してもいいですか?」

山「いいよ」

私「JIN様は、亀王国の王子様ですよね」

山「そうです。元だけど」

私「亀王国の王子様が、どうしてP王国に住むことになったのですか?」

山「亀にいじめられて困ってるところを、オレが助けました」

私「JIN様はいじめられていたのですか?」



山「悪い人に売られそうになったので」

山「オレは友人として」

山「人として」

山「それを見過ごすわけにはいかなかったんだ」



私「売られそうになったのですか?」

山「悪いヤツの手に渡れば、こいつが不幸になるのはわかってる」

私「それを阻止したのですか?」



山「みんなの力を借りて、うちの国でJINを引き取りたいと思っています」

山「協力してほしいんだ」



仁「がんばります!」

私「何をがんばるのですか?」

仁「えーっと、いろいろ。つうかオレにできること」



山「本人もそう言っているので」

山「チャンスを与えてやってほいんだ」

山「言葉や文化の違いもあるから」

山「やる気が伝わらなかったり」

山「なに言ってんだかわからなかったり」

山「カンに触ることもあると思う」

山「JINのいた国は、素行や言葉づかいの悪い人間がたくさんいたので」

山「P王国とは国民性が違います」

山「すぐには理解できないかもしれないけど」

山「JINとは中学の時からのつきあいで」

山「同じ釜のメシを食った仲です」

山「悪いヤツじゃないことは」

山「オレが保障します」



仁「きょうはこれから髪切ってきて、少しずつ痩せられるようにがんばります」

山「髪切って痩せたらカッコよくなるよ(笑)」

仁「これが痩せてるオレです」

山「写真持ってきたのか」

仁「写真を見てもらえばわかると思います」

皆「わ〜、カッコイイラブ

山「カッコイイでしょ?」

皆「はい!」

仁「なるべく早く痩せるようにします」

山「そんなわけで、しばらくJINくんを公民館で飼いたいと思うんだけど」

皆「わかりました!」

山「みんなで世話してね」

皆「は〜い」

山「よかったなJIN」

仁「うん」

山「みんな飼ってくれるってさ」

仁「共有資源だもんな」

山「可愛がってもらうんだぞ」

仁「愛玩動物だから」

山「これからはパンダとしての幸せが待ってる」

仁「オレ人権なんていらないよ」

山「幸せになる権利は動物にもある」

仁「参政権も要求しない」

山「おまえ選挙なんか行かねーだろ」

仁「戸籍なんかなくても」

山「人間として受け入れられなくても、パンダとしてなら受け入れ可能なんだ」

仁「亡命してきた人間が、正当な手続きなんか踏めないよな」

山「うちの国の動物愛護精神は世界一だ」

仁「犬や鳥を虐待してる人なんていなさそうだ」

山「母性の強い女性が集まってる」

仁「悪い人に売られてブタオヤジの奴隷になるより、優しい人たちに飼われてぬくぬく暮らすほうがいい」

山「誰もおまえにひどいことなんかしないよ」

仁「オレはこの国で女と生きていく」

山「自分の国でもそうだったんだろ」

仁「今までと何も変わらない」

山「女と仲よくできれば、人はどこででも生きていけんだよ」

仁「国全体がクラブなんだと思うことにした」

山「考えようによってはハーレムだ」



仁「女に触られて、メシも作ってもらえて」

仁「添い寝したりなでたりなでられたり」

仁「それが仕事になるんだな」



山「怠けてるように見えても、意味のある仕事なんだ」

仁「オレ触られるの好きだから、つらくないよ」

山「おまえにピッタリだろ」

仁「天職かもしれない」

山「ブタオヤジの奴隷になってたら、乱暴に扱われてるぜ」

仁「天国と地獄だ」

山「人間だと思って買うわけじゃないんだ」

仁「ゴミみたいに扱われたあげく、ボロボロになって死んでいくだけか」

山「人として虐待されるより、パンダとして愛玩されるほうが幸せだ」

仁「おまえ、ちゃんとオレのこと考えてくれてたんだ」

山「オレらマブダチだろ」

仁「そうだよな」

山「オレが助けたんだぞ」

仁「命の恩人だな」

山「いいことしたあとは気持ちがいいな」

仁「やっぱ自分の気分がいいから助けたのかよ」

山「みんな喜んでくれてる」

仁「おまえ感謝されてるぜ」

山「オレって素晴らしい人間だな」

仁「ここは素晴らしい国だ」

山「治めてんのオレだから」

仁「おまえと亀って似てるよな」

山「なんか言ったか?」

仁「王子の資質を持ってるってこと」

山「王子様の器だ」



続く



(この話はフィクションでございます。なお、王子様にはモデルが存在します)



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るんるんこの話の第1話:思想犯

るんるん目次はコチラメモ

[妄想おとぎ話]王子様と私〜奪取王国のTOMOYA様
いろいろな国の王子様がP王国を訪れる妄想おとぎ話。

忘れた頃に続編をアップ!

これまでのお話はコチラからどーぞ。



P王国の村娘の“私”(18)。

お花のお世話をしに、P王子様のお城に来ました。



私「王子様、こんにちは」

山「いらっしゃい」

私「お花のお手入れに伺いました」

山「いつもありがとう」

私「暑いので、草木にも毎日お水をあげないと」

山「花もひからびちゃうよね」

私「うちの庭のアジサイが咲いたので、お持ちしました」

山「これはきれいだな」

私「お城の玄関に飾っておきますね」

山「うん、頼むね」

私「はい」

山「オレひとりじゃ花の世話なんかできないよ(笑)」

私「私たちがお手伝いします」

山「みんながやってくれるから、城はいつでも季節の花で彩られてる」

私「お花は心を豊かにしますよね」



智「きれいだな」

私「あ」

山「TOMOYAさん」

智「この花食えんの?」

山「食用じゃないんで、アジサイは食べられません」

私「お客様でしたか」

山「紹介するよ。奪取王国の王子のTOMOYAさんだ」

私「はじめまして。TOMOYA王子様」

智「王子はやめてよ。がらじゃないから」

山「奪取王国では5人の王子が国を治めてる」

智「みんな年とっちゃって、おっさんになっちゃったけどな」

私「王子様が王様になられたんですか」

智「王様ってがらでもないから、ただのおっさんだよ」

私「ご謙遜を(笑)」

智「TOMOYAでいいよ」

私「P王国へようこそ。TOMOYA様」



山「TOMOYAさんはバイクで世界中を旅してるんだ」

私「バイク?」

山「うちの国は、乗り物は馬車と船と自転車だけなもんで」

智「乗ったことないのか」

私「はい」

智「じゃ、乗せてやるよ」

私「え」

智「ヘルメットかぶって後ろに乗りな」

私「え、いいです。怖いです」

智「大丈夫だよ」

私「でも」

山「ちょうどいいから、案内がてら海まで乗せてもらったら?」

私「案内?」

山「せっかくいらしてくださったんだ。P王国を観光していってもらおう」

智「ついでに食いもん調達してくるか」

山「海では貝や海藻がとれますよ」

智「そんなもんじゃ腹の足しにならねーな」

山「山では山菜や果実が」

智「肉はないの?」

山「ニワトリや牛は飼ってるんですけどね」

智「トリ肉も牛肉もあるじゃないか」

山「卵と牛乳用なんです」

智「この国では肉は食わないのか」

山「ニワトリしめたり、牛をさばいたりできる人間がいないもんで」

智「生々しい仕事のできるヤツがいないのか」

山「すみません。うちの国は女性が多いものですから」

智「あとで山に入ってイノシシとってくるか」

山「狩猟用の銃もないんですよ」

智「イノシシぐらい素手で倒せるよ」

私「えっ、イノシシを素手で?」

智「イノシシの肉はうまいよ」

私「どうやってイノシシ食べるんですか?」

智「焼いたり煮たり」

私「ひぃ〜っ」

山「奪取王国では普通のことなんだよ」

私「文化の違いですね」

智「人間は食わないから安心してよ」

私「は、はあ汗



智「それじゃ、ひとっ走り行ってくるか」

山「海沿いの道から山に回ってください」

智「案内して」

私「あ、は、はい」

智「メットつけて」

私「ヘルメットをかぶるんですね」

智「自分でできる?」

私「やったことないので」

智「頭からかぶって、あごのところでベルトをしめるんだ」

私「すみません。やっていただいちゃって」

智「後ろに乗って」

私「乗り方がわかりません」

智「P王子、抱っこで乗せてやって」

山「はい」

私「すみません」

智「しっかりつかまってないと落とされるぞ」

私「どこにつかまればいいんですか?」

智「オレの腹だよ」

私「腹?」

山「TOMOYAさんのおなかに手を回して、しがみついてて」

私「……」

智「P王子、やってあげて」

山「はい」

私「すみません」

山「おなかにつかまっててね」



私「キャーッ」

智「なんだよ」

私「ぜい肉がっ」

智「おっさんだからな」

私「ぷよっと」

智「腹たるんでるぐらいで驚くなよ」

私「どうして王子様が太ってるんですか?」

智「王子様は痩せてるもんだと思いこんでるんだな」

山「TOMOYAさん、帰りは家まで送ってあげてもらえますか?」

智「了解!」

山「じゃ、案内をよろしくね」

私「は、はいっ」

智「行くぞっ」

私「キャーッ」

智「しっかりつかまってろよ」

私「キャーッ、キャーッ」

智「盛り上がってるぅ?」

私「キャーッ、キャーッ、キャーッ」

智「もっと叫べー」

私「怖い〜」

智「最後までよろしくぅ」

私「コンサートのMCみたい汗汗汗



智「気持ちいいだろ」

私「怖いですっ」

智「すぐに慣れるよ」

私「怖いよぅポロリ

智「風きって走ると気持ちいいぞ」

私「えーんえーんポロリ

智「泣いててもいいけど手は離すなよ」

私「王子様ぁ」

智「王子様は助けに来てくれないぞ」

私「もっとゆっくり走ってください」

智「チャリと船と馬車しか乗ってないから、スピードにも慣れてないんだな」

私「こんな速い乗り物に乗ったの、初めて」

智「ほら、海見えてきたよ」

私「えーんえーんポロリ

智「目、あけてごらん」

私「……あ……」

智「きれいだろ?」

私「……きれー」

智「海までツーリングだな」

私「ツーリング?」

智「単車のケツ乗りなんて、したことなかったんだもんな」

私「ケツ乗り?」

智「オレの国の言葉は通じないか」

私「私、難しいことはよく」



智「なにも難しいことじゃない」

智「カラダが気持ちいい」

智「そう感じられればいいんだ」



私「……」

智「気持ちいい?」

私「……はい」

智「OK!サンキュー」

私「英語だけど、なんとなくわかる。。。」



智「ついた。降りて」

私「降りれない」

智「ひとりじゃ乗り降りできないのか」

私「高いし」

智「しょうがないな」

私「……」

智「オレの肩に座れ」

私「ええっ」

智「肩抱っこ」

私「つぶれちゃいますよ、子どもじゃないんですから」

智「おっさんだからつぶれないよ」

私「でも」

智「両肩にイノシシ乗せて歩ったこともあるよ」

私「イノシシよりは軽いと思うんですけど」

智「ひとりじゃ乗り降りできないんだから仕方ないだろ」

私「……はい」

智「肩にケツ乗りしてみな」

私「ケツ乗り?」

智「ケツを乗っけりゃいいだけだ」

私「……はい」

智「よし」

私「よいしょっと」

智「おー、軽い軽い」

私「お手数おかけします」

智「このまま浜を歩くぞ」

私「ええ〜っ」

智「肩車だと思って乗ってろ」

私「ひぃ〜っ」

智「高いところから見渡せば気持ちいい」

私「えーんポロリ

智「ゆっくり歩くから」

私「落ちる〜」

智「落とさないよ」

私「どうしてこんな目に……」



智「君みたいなコは、オレみたいなおっさん嫌いだろ」

私「はいっ」

智「正直だな」

私「汚らしいし」

智「ひげヅラがイヤなのか」

私「そのひげともみあげは、敵の目を欺くために伸ばしてるんですか?」

智「剃ってないだけだよ」



私「ほかの人の目はごまかせても、私は騙されません」

私「そのお顔立ちは、王家の血をひく方」

私「正統派の美男子です」

私「ひげともみあげをとって、お痩せになれば」

私「P王子様とそっくり」



智「オレとP王子は似てるのか」

私「顔の系統が同じです」

智「正統派の」

私「P王子様を男にすると、TOMOYAさんになるんだと思います」

智「P王子も男だろ」

私「そんなにカッコイイのに、どうして太ってるんですか?」

智「若い頃は痩せてたよ」

私「中年太りですか?」

智「もういいだろ、おっさんなんだし」

私「弱虫」

智「はあっ?」

私「おっさんだからとか、年とってるからとか」

智「30代だしな」

私「逃げてますよね」

智「何から逃げてるの?」

私「美男子の宿命から」

智「美男子の宿命?」



私「勝運王国の亀王子様がおっしゃってました」

私「王子に生まれた者は、王子として生きるしかないんだと」

私「お若い亀王子様でさえ、ご自分の宿命を背負って」

私「逃げずに戦っておられるのに」



智「オレはもうさんざん戦ったから、これからは自分の好きなことやって生きていくんだ」

私「大嫌い、そういう人」

智「そういう人?」

私「美男子なのに、ひとりで魚釣ってたいとか、芸術家になりたいとか、顔関係ない仕事をしたがるような」

智「好きな仕事してんだから、いいんじゃないの?」

私「うちの国には、男の人があまりいません」

智「女性が多いんだったな」

私「その中で美男子なんて、ほんのひと握り」

智「数が少ないんだからな」

私「本物の美男子は希少なんです」

智「本物の美男子は希少価値があると」



私「勝運王国の亀王子様なんて」

私「本物の美男子でもないのに」

私「お化粧やファッションやダイエットで」

私「カッコよく見られることに命かけてるんですよ」



智「偉いの? それ」



私「P王子様やTOMOYA様に比べたら」

私「亀王子様なんて、まがい物同然」



智「美男子の海賊版?」

私「だから海賊のカッコしてるのかも」

智「コンプレックスが着るものに出てるのかな」

私「痩せさえすれば、ビジュアルはなんとかなる!」

智「何それ?」

私「勝運王国の古いことわざです」

智「もとの顔なんて、あんまり関係ないって意味か」

私「真理ですよね」

智「今度、亀王子のところにも寄って顔見とくよ」



私「私の母は泣いていました」

智「君のお母さんか」

私「母は、父と別れてP王国に移住してきたのです」

智「君らも一緒に来たんだな」



私「母はP王子様が好きなのです」

私「母だけでなく、この国の女性は、みんなP王子様を好きなのです」



智「あいつモテモテなんだな」

私「男性の数が少ないんです」

智「希少な美男子だしな」



私「P王子様を想って、お裸を想像しようとすると」

私「天からパアッと光が射して」

私「肝心の部分が出てこない」

私「考えてはいけませんと」

私「神に戒められてしまうのです」



智「……苦しい恋だな」

私「どんなに好きでも、どうにもならない」

智「どうしてそんなことになっちゃうのかな」
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[妄想おとぎ話]王子様と私〜不自然な王子様
P王国にやってきた奪取王国のTOMOYA様(32)。

顔の似ている者同士、早くもP王子様と対立しています。

前回のお話はコチラ



P王国の村娘の“私”(18)。

みんなで飼っているパンダの散歩に、P王子様のお城にやって来ました。



私「王子様、おはようございます」

山「おはよう」

私「けさもいいお天気ですね」

山「そうだね」

私「きょうはJINのお散歩係、私がお当番なんです」

山「うん。歩かせないと太るから、いっぱい歩かせてくれる?」

私「はい。JIN〜、お散歩行くよ〜」

仁「あー、ねみー」

私「また夜ふかししてたんでしょ」

仁「うーん、まあ」

私「早く寝ないと、朝起きられないよ」

仁「きょう散歩やめない?」

私「ダメだよ、JINはすぐ太るんだから」

山「痩せないと種馬にできない」

仁「なんで痩せないとダメなのかな」

山「誰だって太ってるヤツとは寝たくないだろ」

仁「そんなことないだろ」

山「オレが女なら、腹たるんでるパンダとなんか寝たくねーよ」

仁「本当にこの国は、太ってる美形に厳しいよな」

山「ちんたら歩ってもカロリー消費しないから走れよ」

仁「朝からジョギングするような趣味はないのに」

私「JIN、ボール持って河原に行こう」

仁「えーっ、またボール拾いやんのかよ」

山「いいじゃないか、犬と一緒にやれ」

私「王子様、ワンちゃんも一緒に連れていってもいいですか?」

山「うん、ペットのヒメちゃんもお散歩させてやって」

私「はい」



山「あ、そうだ」

私「?」

山「きのうは、イヤな思いさせて悪かったね」

私「なんのことですか?」

山「TOMOYAさんの案内係なんかやらせて」

私「あ〜、そのことですか」

山「失礼なこと言われたんじゃない?」

私「はいっ、サイテーでした(笑)」

山「やっぱり」

私「粗野ってああいう方のことを言うんですね」

山「悪い人じゃないんだよ」

私「はい」

山「もうこの国にくることはないと思うからさ」

私「TOMOYAさんなら、今うちで朝ごはん食べてますよ」

山「えっ」

私「ゆうべはうちに泊まったので」

山「なんで君んちに?」

私「泊めてくれって、うちにいらしたんです」

山「自分の国に帰ったんじゃなかったのかよ」

私「きのう帰りに家まで送っていただいたので」

山「君んちを知ってたからか」



私「もうお母さん、はりきっちゃって」

私「朝からラーメンとカレーとチャーハンと餃子とプリン作ってますよ」



山「なんでプリン?」

私「デザートです」

山「あの人プリン食うのかな」

私「お好きみたいです」

山「面倒かけちゃってゴメンね」

私「とんでもありません」

山「まさか君んちに泊まってたなんて」

私「いびきがうるさくて、けさは私も寝不足です(笑)」

山「ガーガーうるさかったか」

私「変なにおいするし」

山「加齢臭かな」

私「いまだかつてかいだことのないようなにおいです」

山「男臭いから、いるだけで迷惑かけてるな」

私「家の中でオナラされました」

山「いろいろ迷惑かけちゃったね」

私「しばらくうちに泊まっていくそうです」

山「ええっ」



私「ゆうべはギター弾いて歌ってくれたんですよ」

私「私の知らない歌だったんですけど」

私「お母さんは聴いたことあるらしくて」

私「感動して泣いてました」



山「どんな歌だった?」

私「えーっと、なんか曲の途中でつぶやくんです」

山「なんて?」

私「あわなきす」

山「あわなきす?」

私「はいっ、確かそう言ってました」

山「なんの泡だろう」

仁「もしかして“I wanna kiss”じゃね?」

山「I wanna kiss」

仁「あわなきす」

私「あっ、そんな言い方でした」

山「キスしたい、か」

仁「それで感動して泣いてんのかよ」

山「きっと伏し目がちに視線はずしてみせたりしたんだよ」

仁「目線はつけないのか」

山「あえてはずすのもテクなんだ」

仁「基本を踏襲したうえでの高等技術だな」

山「音楽やってるやつは、客を感動させる演出を心得てるからな」



私「お母さん嬉しかったみたいで」

私「P王子様が人間になって地上に降りてきてくれた」

私「って泣いてました」



仁「おまえとTOMOYAさん、顔が似てるからな」

山「あんのじじいっ!」

仁「Pやめろ、国民の前だぞ」

私「???」

山「もう君んちには行かないように、TOMOYAさんにはオレからよく言っておくから」

私「うちは全然かまいませんよ」

山「そういうわけにはいかない」

私「お母さん喜んでるし」

山「とりあえず、JINと朝の散歩に行っておいで」

私「はいっ。行こっ、JIN」

仁「あー、たりー」

私「JIN、走るよっ」

仁「走りたくねー」



山「……根性なしめ」

山「あんなんで種馬がやれんのかね」

山「きっと今まで、かわいいコと自分のしたい時にしかしてきてねーだろうな」

山「同じ馬なら亀のほうがまだ……」

山「あいつなら、自分のメンツのために根性ふりしぼってやりきるだろうし」



智「根性なんて言ってるようじゃ、そいつも種馬には向いてないな」

山「誰かいるのか?」

智「よお」

山「てめー、まだいたのかよ」

智「ここ、いい国だな、メシもうまいし」

山「女の家に勝手に入りこみやがって」

智「おまえの国、女ばっかだろ」

山「泊めてもらったうえに朝メシまで」

智「朝からごちそうだったよ」

山「まさか人の国の女に手ぇ出したりしてないだろうな」

智「自分の女みたいに言うなよ」

山「オレの国の女なんだから、自分の女にきまってんだろ」

智「なんて所有欲の強い王子なんだ」

山「うちの国民は、みんなオレを慕ってここに移住してきたんだ」

智「みんなおまえのことが好きなんだっけ」

山「人の国で勝手なことすんなよ」

智「おかしなことにはなってないよ」

山「あたりまえだ」

智「誘ったんだけど」

山「口説いたのかよっ」

智「まあね」

山「どっちを?」

智「お母さんのほう」

山「このヤロ〜」

智「でも断られた」

山「当然だろう」

智「いいです、大丈夫ですって」

山「悪いですから、みたいな?」

智「ホント変わった国だよな」

山「異常な国のヤツらとは違うんだよ」

智「おまえ自分を基準にものごとを考えるなよ」

山「人間、持ち慣れない金を持つと、どっかおかしくなるんだな」

智「オレの国は、好景気を経験してるからな」

山「金払って女と遊ぶとか頭おかしいんじゃねーの」

智「女と遊ぶ時は金払わないと」

山「なんでだよ」

智「タダでいやらしいこと言ったらセクハラだからな」

山「金払えばいいのかよっ」

智「キャバクラやランパブにはバカになりに行くんだよ」

山「なんだそのキャバなんとかってのは」

智「キャバい女給が接客する飲食店だ」

山「テーブルサービス付きのレストランか」

智「ランパブは、女給が薄着なんだ」

山「夏服か」

智「レベル的には水着だな」



山「下ネタなんか、うちの国で絶対に言うなよな」

智「この国は、終日禁下ネタなの?」

山「下品なこと言うと嫌われんだよ」

智「サイテーって言われたよ(笑)」

山「だからサイテーでしたって言ってたのか」

智「たいしたことは言ってないんだけど」

山「うちの国民になに言ったんだよ」



智「胸毛とか生えてる?って聞くから」

智「腹にもケツにも生えてるって答えただけだよ」



山「なんで本当のことなんか言ってんだよっ」

智「正直に答えただけだろ」

山「びっくりするだろっ」

智「どうしてびっくりするのかな」

山「うちの国は男が少ないんだ」

智「そうだったな」

山「若い娘は、男は腹に毛なんか生えてないと思ってる」

智「なんで?」

山「未処理の写真は本に載せられない」

智「剃ってから写真撮ってんのか」

山「ヘアヌードは出版できないんだ」

智「腹の毛もヘアに入るんだ」

山「続いてるんだからな」

智「規制の厳しい国だな」

山「未処理の腹なんか、絶対に出さないでくれ」

智「腹の出ない長めのTシャツ着るよ」

山「腹の毛なんか出して道歩いたら公然わいせつだ」

智「ワキは出してもいいの?」

山「ノースリーブはOKだけど、節度を持って着用してくれ」

智「節度って何?」

山「女性が驚かない程度にみだしなみを整えてくれ」

智「短くカットしろって?」

山「不快感を与えないように気をつけてほしい」

智「自然のままでいると不快感を与えるのか」

山「うちの国の女性たちは、暑苦しい男に慣れてないんだ」

智「暑苦しい男はいないのか」

山「オレを参考にしてくれ」

智「おまえみたいに涼しい男に整えられてんだな」

山「眉も濃いと怖がられるから調整しろよ」

智「おまえの眉毛、なんで茶色なの?」

山「髪の色と合わせてるから」

智「本当の色は茶じゃないんだ」

山「地毛は黒だよ」

智「不自然な顔だな」

山「自然なままのほうがよっぽど不自然だ」



智「しばらくここにいることにしたよ」

山「帰れっつってんだよっ」

智「チケットはOne way」

山「なんだよそれ」

智「男はいつでも片道切符だ」

山「バイクで来てんだろっ」

智「今度セッションしようぜ」

山「オレは楽器はやらない」

智「オレがギター弾くよ」

山「おっさんギターうまいの?」

智「バンドではギター&ボーカルだ」

山「ふうん」

智「音楽に国境はない」

山「……コードぐらいは押さえられるように練習しとかないと」

智「教えてやろうか」

山「弾いてるように見えればいいんだよ」

智「なんで?」

山「歌うのと弾くのは同時にできない」

智「だからオレが弾いてやるって言ってんのに」

山「観客から見えない位置で弾いてくれ」

智「ギタリストはおまえの黒子なのか?」

山「弾き語りなんだからな」

智「自分が弾いてることにするのか」

山「楽器は小道具だからな」

智「ステッキ回すようにギターもぐるぐる回してみせたり?」

山「オレはダンサーだ」

智「ダンサーは演奏しないんだ」

山「オレの国では常識だ」

智「どこまでも不自然な国だな」



続く



(この話はフィクションでございます。なお、王子様にはモデルが存在します)



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るんるんこの話の第1話:思想犯

るんるん目次はコチラメモ