山「じゃ、行くわ」
亀「って突っ込まないのかよ
」
山「おまえの戯れごとにつきあってるほどヒマじゃないんだ」
亀「戯れごとってなんだよ」
山「自意識過剰って被害妄想の逆パターンだよな」
山「女はみんな自分のこと見てて」
山「自分のことが好きで」
山「自分のものだと思いこんじまうんだろ」
亀「オレの話は加害妄想なのかよ」
山「公私混同も妄想みたいなもんだ」
亀「前向きに考えられるって素晴らしいな」
亀「自分に都合の悪い事実をねじ曲げて解釈するんだからな」
亀「だからいつも爽やかでいられるんだろ」
亀「ポジティブって現実逃避だもんな」
山「客観的な判断だ」
亀「逃避だろ」
山「いつオレが逃げたんだよ」
亀「認めたくないだけだ」
山「嘘なんか認められるかよっ」
亀「現実から目を背けてんだよ」
山「現実が見えてないのはおまえのほうだ」
亀「目の前でキスでもしてみせようか」
山「は?」
亀「それぐらいやらなきゃわからないみたいだし」
山「誰とする気?」
亀「オレの秘書」
山「セクハラで殺してやる」
亀「それを言うなら“訴えてやる”だろ」
山「裁くのはオレだ」
亀「キスしたら死刑かよ」
山「やってることは婦女暴行と同じだ」
亀「合意だよ」
山「無理やりするのが合意なのかよ」
亀「自分の女とキスしたってセクハラじゃねーよ」
山「秘書にすればセクハラだ」
亀「っとにわかんねーヤツだな」
亀「何度も言わせんなよ」
亀「さっきから言ってんだろ」
亀「自分の女だって」
山「勝手に言ってろ」
亀「信じたくないのもわかるけどさ」
山「何もあるはずがない」
山「あいつはオレのファンで」
山「オレのものだ」
山「今までも」
山「この先も」
山「ずっとな」
亀「……行っちゃったよ」
亀「捨て台詞もきまってんな」
亀「言ってることはおかしいけど」
亀「自分が絶対だと思ってんだから」
亀「人の話に耳なんか貸せないか」
亀「スターってバカでなきゃなれないんだな」
亀「夢を叶えるには自分を信じられないとね」
亀「それが思いこみでも」
私「ごめんね、お待たせして」
亀「帽子、可愛いじゃん」
私「えへへ。メイクが上手だから、なんか可愛いデザインのが欲しくなっちゃって」
亀「似合うよ」
私「……不思議」
亀「何が?」
私「亀ちゃんが言うと、本当に聞こえるから」
亀「嘘じゃないって(笑)」
私「魔法だよね、一種の」
亀「魔法使いだから空も飛べるんだ(笑)」
私「女性を幸せにする魔法」
亀「オレのそばにいれば幸せになれるよ」
私「どんな場所も、住めば都だよね」
亀「オレと一緒にいたら、つまらない男のところになんか戻れなくなる」
私「女性を喜ばせる達人だもんね(笑)」
亀「王子様なんて、一緒に暮らせばただのつまらない男だ」
私「なかなか一緒には暮らせないけどね、王子様とは」
亀「見るだけだから王子様なんだよ」
亀「遠巻きに眺めるだけなら」
亀「汚い部分は見ずにすむ」
亀「無関係なんだからな」
亀「現実的な話、王子様の靴下なんか洗いたくないだろ?」
私「ヤマピーの靴下なら、洗わずに保存しちゃうかも(笑)」
亀「変態の価値観は普通じゃないな」
私「宝物
」
亀「
マークがこえー」
私「汚くないし」
亀「王子様のものは、みんなキレイだと思ってるのか」
私「大事にする」
亀「時々取り出して、におい嗅いだり?」
私「クリスマススの夜、枕元に置く
」
亀「サンタクロースが靴下にプレゼント入れてってくれるかもね」
私「怖いかな?」
亀「オレのファンも似たようなもんだ」
私「実用性のない人が好きなんだもんね(笑)」
亀「永遠の乙女だな」
私「乙女チックは個性だと思うことにしたの」
亀「確かに大人になっても治らなければ個性だ」
私「人より乙女度が高いだけ」
亀「担当が前向きだと、ファンも前向きになれんだな」
私「なんでもポジティブに考えないとね」
亀「自分を正当化して生きていくのも人生だよ」
私「人からどう思われようと」
亀「私は間違ってない!」
私「海岸、お散歩するんでしょ?」
亀「と思ってたんだけど」
私「何か問題でも?」
亀「よく考えたら、その靴じゃ砂浜を歩くのはキツイんじゃね」
私「あ。ヒールの靴だから」
亀「浜で撮影してるみたいだし」
私「ホントだ。なんのロケだろう」
亀「AVかなんかだろ」
私「なんでわかるの?」
亀「男優がバカそうだから」
私「AVって外で撮影してもいいの?」
亀「どうでもいいシーンも入れるし」
私「外で撮影できるのはどうでもいいシーンなんだ」
亀「AVなんか観ないよな」
私「うん」
亀「あれは男が観るもんだ」
私「テゴシは観てたよ、私の目を盗んで」
亀「だろうな」
私「何度も別れようと思ったんだけど」
亀「AV観たぐらいで離婚を考えるなよ」
私「愛されてないのに結婚しててもさ」
亀「愛とエロは別だから」
私「だけど子どものこともあるし、私さえ我慢すればいいんだって」
亀「自分が我慢してAV観るのを容認してたのか」
私「浮気されることを思えば」
亀「AV観るぐらい可愛いもんだろ」
私「本当は夫婦として、この問題にもっと真剣に向き合わなきゃいけないんだろうけど」
亀「気づかないフリしてやるのが思いやりじゃね」
私「不純だよね」
亀「旦那にAV観られたぐらいで別れるような純粋な女よりいいよ」
私「みんながみんな、亀ちゃんみたいにモテるわけじゃないから、バーチャルに走るのは仕方ないのかも」
亀「AVぐらいオレだって」
私「観てるの?」
亀「まあ、たまには」
私「なんで?」
亀「なんでって」
私「そんなにモテるのに」
亀「モテるんだからそんなもの観なくてもって言いたいのか」
私「本物の女の人を見ればいいじゃん」
亀「いくらでもいるもんな」
私「映像じゃ触れないじゃない」
亀「そうだね」
私「王子様と一緒?」
亀「見るだけなのは一緒だな」
私「すぐれた脚本ってわけでもなさそうだし」
亀「ストーリーはどうだっていいんだよ」
私「舞台の仕事をしている人が、そんなこと言っていいんですか?」
亀「学級委員に怒られてるみてー」
私「どこにメリットがあるのか、よくわかんない」
亀「ヤマピーだって、それぐらい観てるぜ」
私「ヤマピーは観ません!」
亀「断言するなよ」
私「一緒にしないでください」
亀「テゴシやオレとは一緒にされたくないって(笑)」
私「つきあってた時だって観てなかったもん」
亀「彼女の部屋では観ないだろ」
私「エッチなことはよく考えてるみたいだったけど」
亀「考えるだけならいいんだ」
私「大人なんだから、少しは我慢しないと」
亀「エッチなことは考えても、AV観るのは我慢するのが大人なんだ」
私「法に触れないからって有害なものに手を出さなくても」
亀「AVは有害だったのか」
私「有害だから青少年の目に触れないように配慮されてるんでしょ」
亀「18禁ね」
私「いっそ88禁にすればいいのに」
亀「じーさんのカラダにも悪いんだ」
私「心臓に負担がかかる」
亀「刺激の強いものは命にかかわるな」
私「劣悪なテレビ番組も同じだよね」
亀「エロ番組ならオレも観てたぜ、中学の時」
私「なんかそんな感じ」
亀「ヤマピーは観ないのに、オレはいかにも観てそうなイメージがあるのか」
私「不良っぽいし」
亀「不良だから酒やタバコやAVやってそうなんだ」
私「娯楽ならほかにもあるじゃない」
亀「もっと健全なDVDを観たり」
私「ライブDVDなら私もよく観てるよ」
亀「ジャニーズのライブDVDだろ」
私「でもカトゥーンを観ると、ちょっと気がひける(///▽///)」
亀「オレらの振りは健全なダンスじゃないんだ」
私「ストリートダンスではないよね」
亀「腰の振り方が違うからな」
私「ぐいんぐいんだもんね」
亀「健全な男なんか見たってつまらないだろ」
私「そんなことないよ」
亀「じゃスノープリンス合唱団とカトゥーンなら、どっちが見たい?」
私「カトゥーン」
亀「そうだろ?」
私「不健全だからかな」
亀「本能的に選んでんだよ」
私「ボーイソプラノ集団とカトゥーンを比べるのはどうかと」
亀「同じジャニーズのユニットだ」
私「自分の中にも悪い芽があったなんて」
亀「悪いコになりたいんだろ」
私「ずっといいコで生きてきたから」
亀「つまらない男としかつきあってないから考えが偏るんだ」
私「偏ってるかな」
亀「オレが矯正してあげるよ」
私「悪い方向に」
亀「悪いことだっていう価値観を360度ひっくり返してやる」
私「360度ひっくり返したら元に戻っちゃうじゃん(笑)」
亀「350度ぐらいにしとく(笑)」
私「上下を反転させるなら180度でしょ」
亀「正しいか正しくないかは頭で考えるんじゃないよ」
私「どこで考えるの?」
亀「オレが考えんだよ」
私「亀ちゃんがきめるんだ」
亀「オレの言うことはすべて正しい」
私「自分が絶対だと思ってるから(ーー゛)」